ダークルーム


ジャンル:コマンド入力型ADV
形式:ダウンロード
製作者:ぼん 氏
URL(Vector)





内容

プレイヤーは小説家を志す元広告プロデューサー。執筆に専念する
ために買った部屋で、休暇を利用して小説を書くことに。しかし
ひっこしてきたその日、奇妙な悪夢を見たうえに、激しい頭痛に
うなされながら目を覚ます…。というストーリーなのですが、
あまりゲーム内容には関係ないのが残念。ただ、まずは
頭痛のせいで何もできないという状態からのスタートなので
部屋をすみずみまで探るために頭痛をなんとかしましょう。
単語は半角英数字、英語で入力。もちものなどの単語が
記憶されるのが親切です。簡単なマップながら充実していて、
調べられるところがたくさんあります。とつぜん放り出された
非日常の中で、おそるおそる周囲を手探りで探っていく
静かなドキドキを楽しみましょう。物事を順序だてて考えていけば、
さくさくいけるはずです。




レビュー

ミステリーハウス系のグラフィック。画面がコンパクトでデザインも親切設計。
説明書やヘルプが充実しているので、初めての人でも取り組みやすいかもしれない。
ボリュームも難易度も充実しているが、何より他と比べると珍しい、怪しくも淡々とした
ホラーな雰囲気がすばらしい。テキストの細かいところにまで気遣いが行き届いていて
ゾワゾワする世界観にひきこまれる。寄り道要素はあまりないが、脇道要素
(攻略ルートにまったく関係ないわけではないが、見なくても問題ないコメント)
がイカス。直接的なホラー表現はないが、ちょっとしたレスポンスの一つ一つが
効果的。現実に不気味な影が背後に迫ってくる緊張感と、居心地の悪さをじっとりと
味わわせてくれる。

単語入力の仕方や組み合せに迷っても、ヒントや示唆があるのでつまることは少ない。
ただし、発想がソコに飛ばないとダメか…という部分も少なからずあるので、目の前の
枠にとらわれない考え方が必要。決して理不尽ではないので、ひらめいた時の快感は
期待していいはず。ちなみにコマンド入力型ADVに限らず、多くの作者が期間限定に
しろ、恒久的にしろ、少なからず嫌い他者に制限までお願いする完全ネタバレを
最初から同梱してくれているという、豪気なところもすばらしい。
もう考えたくない!というプレイヤーに対して、もっと考えろ!でもなく、
じゃあやめろ!でもなく、じゃあ見ろ!見た上で続きが遊びたかったらどうぞ!と
言えるというのは、作る側として目指したい域の粋である。

しかし本当に残念なことに、ドキドキするミステリー仕立ての雰囲気は最高なのに
そのすえに何も明らかになることはない。もともとADVとはストーリーに期待する
タイプのゲームではないのかもしれないが、ここまで興味をかきたてておいて
そんなあっさり終わるなんて…という思いを感じてしまう。
たしかに現実、そうそう謎が明らかになることはないのだからと思えば、少々の肩透かしは
許容範囲…と個人的には思う。とにかく、途中の不気味なミステリー仕立ての雰囲気を
味わうことこそが、肝要な作品である。

難易度:初級〜中級
おすすめ度:5(複雑な謎や難しい単語探しがなく、遊びやすい。システムも親切)
好み度:4(最後はおざなりだが、怪しく不気味な雰囲気が抜群)
謎解き:4.5(考えぬいたすえの快感は脳汁もの)



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